唐馨蕊は顾寧の写真を見たことはあったが、実際に会うのは初めてだった。認めざるを得ないが、顾寧は本当に美しく、稀に見る美しさだった。
美しいだけでなく、能力もあり、彼女は感心せずにはいられなかったが、同時に嫉妬も感じていた。
彼女が嫉妬したのはそれだけではなく、背が高くてハンサムな彼氏がいることにも嫉妬していた。その男性の容姿は、彼女を含む多くの女性の心を揺さぶるほどだった。
しかし、彼女は争う気はなかった。自分には無理だと分かっていたし、たとえ可能だとしても、彼らの立場では必然的に敵同士になってしまうだろう。
今回、唐馨蕊は馮鑫と一緒に来ていた。知り合って間もないが、関係は良好で、そうでなければ馮鑫が唐馨蕊を連れてくることもなかっただろう。
「顧お嬢様、翡翠美人ジュエリーの開店、おめでとうございます。ご繁盛を祈っております」と、皆が祝福の言葉を贈った。
「ありがとうございます。お構いできなくて申し訳ありませんが、どうぞごゆっくりなさってください」と顧寧は言い、特に遠慮する様子もなかった。
「いいえ、構いません」
皆が気にしないと口々に言った。
顧寧が忙しかったため、誰も唐馨蕊を個別に顧寧に紹介することはなかったが、唐馨蕊も気にしていなかった。そのうち接点があるだろうと思っていた。
風華エンターテインメントが花籠を贈り、盛華不動産が花籠を贈り、康來寧製薬が花籠を贈った。
これらは地方の小企業だったので、特に騒ぎにはならなかったが、その後のことは大変なことになった。
青華グループが花籠を贈ってきた……
どよめきが起こった!
「なんだって?青華グループ?」
翡翠美人ジュエリーの以前の出来事を知らない人々は、青華グループの名前を聞いて驚いた。
青華グループは盛世グループ、金陵グループ、唐皇グループほどではないものの、その名声は小さくなかった。なぜなら、その背後には華夏最大のマフィア、青幫の事業があったからだ。
しかし青華グループだけでなく、黒麒グループも花籠を贈ってきた。
今や、驚きという言葉では表現できないほどだった。
黒麒グループは華夏の二大マフィアの一つ、キリン団の事業だった。この顧寧が二大マフィアとも繋がりがあるとは。
「すごい!これは天下を取る勢いじゃないか?」