第670章 トラブルメーカー

なぜなら、どんなに強大な勢力でも、弱点がないわけではありません。たとえ力の弱い者でも、正しい策略を用いて相手の弱点を突けば、強大な勢力を倒すことができるのです。

そうでなければ、唐雲帆がどうして唐煒雍の毒手に二度も遭うことがあったでしょうか!

そうでなければ、顾宁がどうして彼女には動かせないと思われた勢力を突き破り、今日のような成功を収めることができたでしょうか!

そうでなければ、あの富豪たちがどうして誘拐され、金を要求されることがあったでしょうか!

そうでなければ、ある国の指導者たちがどうして暗殺されることがあったでしょうか!

そうでなければ······まだまだ多くの例があります。

だから、あなたが強者であれ弱者であれ、この世界に絶対的なことはないのです。

地位と権力は保護傘にもなりますが、死の符にもなり得るのです。

ネット上のこれらのニュースについて、唐煒雍も常に注目していました。特に今日は、特別に注目していました。

疑いなく、顾宁の人脈に驚かされましたが、上述の通り、野心を持つ唐煒雍にとって、顾宁が強大な人脈を持っているからといって、どうということはありません!彼は直接対決するのではなく、相手の弱点を見つけてから攻撃するのです。

そして、商人に悪人なしとはなく、利益なければ動かず、人は貴方が輝いているときだけ兄弟のように親しくし、落ちぶれれば、貴方が誰だか覚えてもいないものです。

この人情の冷たさ、世の中の移り変わりは、彼が身をもって体験したことでした。

だから、彼は唐海峰を対処すべきときは対処し、顾宁を対処すべきときは対処する、あの人たちがこの混乱に巻き込まれるとは信じていませんでした。

さらに、今になって顾宁が並の人物ではないことを知り、それは彼をより一層警戒させ、顾宁という人物を排除しなければならないと考えさせることになりました。さもなければ、相手が自分の最大の障害となる可能性があったのです。

唐雲帆が長い間昏睡していたことについて、唐煒雍は本当に相手が演技をしているとは疑っていませんでした。

あれほど重大な事故で、命を落とさなかっただけでも幸運でした。