第727章 唐嘉陽が帰ってきた

しかし、彼がどれほど憤慨し、否定しようとも、唐雲航たちの疑いから逃れることはできなかった。

いや、確信だった。

唐德明は、彼らが単に疑っているだけで、証拠がなければどうすることもできないと思っていたが、実は彼らはすでに彼が犯人だと確信していた。彼に手を出さないのは証拠がないからではなく、彼の背後にいる人物を引き出したいだけだった。

張永健の所在は依然として分からないままだったが、唐家側も特に動きを見せなかったため、唐德明は唐家も張永健のことを知らないのだろうと考えていた。

「そうだな、今は早急に代理取締役会長を選出しなければならない。そうでなければ、従業員や提携企業の不安な気持ちを落ち着かせることができない」と付開餘が言った。

「私も早急に代理取締役を選出することに賛成です。従業員や提携企業だけでなく、競合他社に対しても安定を示す必要があります」

「その通りだ。だから私も早急に代理取締役を選出することに賛成だ」

程中盛と吳柏岩も同意を示した。取締役会長に何かあった場合、まず最初にすべきことは代理取締役を選出することだったので、皆がこのような要求をするのは当然のことだった。

「それならば、代理取締役を選出しましょう」唐志林は皆からのプレッシャーに耐えかねたかのように妥協した。

八人の取締役のうち五人が同意したため、残りの三人は拒否できなかった。

唐雲航と唐雲蓉は選挙に参加できず、投票のみとなった。彼らは唐志林に投票し、第九取締役も唐志林に投票した。

そして付開餘、程中盛、吳柏岩は唐德明に投票した。

これに対して、唐志林はすぐに座り立てなくなり、彼らに向かって怒鳴った。「程中盛、吳柏岩、お前たちは何のつもりだ?」

「我々には投票の自由がないのですか?」程中盛は反問した。

「お前は……」唐志林は即座に言葉を失った。

唐雲航の株式は10パーセント、唐志林の株式は5パーセント、唐雲蓉の株式は5パーセント、第九取締役の株式は2パーセントで、合計22パーセントの株式となる。

唐德明の株式は8パーセント、程中盛の株式は6パーセント、付開餘の株式は5パーセント、吳柏岩の株式は3パーセントで、これも合計22パーセントとなる。

そのうち51パーセントの株式は唐雲帆が保有しており、唐雲帆以外の者は動かすことができず、さらに5パーセントは市場株式だった。