趙小萱が携帯を見つめてぼんやりしているのを見て、趙母は少し心配になり、近づいて携帯の内容を見た。それを見て驚いた後、すぐに気持ちが晴れた。「ふん!あんな薄情な男、報いを受けたのね!」
人質を取って、人を傷つけたのだから、少なくとも数年は刑務所行きだろう。
趙母は林天佑が趙小萱を振ったことで、ずっと胸に怒りを抱えていた。萱ちゃんが「もういいの」と言わなければ、彼女はじっとしていられなかっただろう!
今、林天佑が困ったことになったと知って、どうして災難を喜ばないことがあろうか!
······
顧寧は『麒麟ホテル』を出た後、唐家には戻らず、骨董品街へ向かった。
彼女は多くの骨董品を持っていたが、すべてを『祥雲軒』に置くことはできなかった。あまりにも多くの本物があると、面倒なことになるからだ。しかし、ずっと空間に置いておくわけにもいかない。それでは無駄になってしまう。
そこで、顧寧は海市にもう一つ骨董品店、『祥雲軒』の支店を開くことにした。
どうせ今は時間があるので、見に行くことにした。
骨董品街に着くと、顧寧がまずしたことは透視眼を使って、周りの露店を見回し、掘り出し物がないか探すことだった。
半分ほど歩いたが、掘り出し物は見つからなかった。その代わり、知り合いを見かけた。
知り合いと言っても、一度会っただけの人だが。
その一面識のある知り合いとは牧文祁で、彼は茶楼に入っていった。
前回、Kに牧旭興のことを話した時のKの反応を思い出し、顧寧は彼らの間に良くない関係があることを知った。Kは牧旭興の隠し子なのではないかとも想像した。
しかし、この牧文祁がKよりも若いことを見て、おそらくKの方が牧文祁より年上だと思われるので、Kの母親が牧旭興の前妻なのではないかとも想像した。
そうでなければ、なぜKが牧という姓を持ち、母親と同じ姓ではないのだろうか!
その理由が何であれ、KとKと牧旭興が父子関係にあることはほぼ確実だった。
Kのことを思い出したので、顧寧は思わず彼に注目し、透視眼で彼の後を追い、何をしているのか見ることにした。
牧文祁は茶楼に入ると、上の階には行かず、裏庭へ向かった。
裏庭は小さな四合院で、人はほとんどいなかった。
牧文祁は慣れた様子である部屋の前に来ると、ノックをして中に入った。