第757章 彼女を消すために人を探す

彼女は何としても拒否したかったが、キリン団の脅しの前では、もはや断ることができなかった。

唐雅心は「唐艾寧」を心底憎んでいた。彼女は必ず彼女を殺してやる、唐艾寧を殺したように。

強靭な身体能力を持つ人間でさえ殺せたのだから、目の前のこの弱い女など、なおさらだ!

しかし顾寧は弱い女ではなく、唐艾寧よりもさらに強靭な人物だった。そして彼らが唐艾寧を殺せたのは、唐艾寧が無防備な状態で、怪我をしても治療できなかったからだ。

今の顾寧が不意打ちを受けて怪我をしたとしても、翡翠の瞳の霊気があれば、あっという間に治癒できる。

金を受け取る前に、まずはチップを数えなければならない。この任務は天兄に任された。皆に分かるように、その場で数えることにし、齊子越たちに直接見せた。

天兄は数人の警備員と一緒に数え始めた。チップはまだスロットマシンから取り出されていなかったので、彼らがスロットマシン内の山積みのチップを見たとき、この唐さんが全て当てたことを知り、大いに驚き、感心した。

約30分かけて数え終わると、唐雅心の250万のチップを相殺した後、顾寧は合計1億25000のチップを獲得していた。

1億25000の10倍は10億250万。顾寧は一銭も少なくすることなく賠償を要求した。

皆が数えている間、顾寧はKに短信を送り、彼の口座番号を教えてもらった。すぐにまとまった金額が振り込まれるが、自分の名前を明かしたくなかったので、顾寧は自分の口座番号を使うつもりはなかった。

すぐにKから返信があり、口座番号を受け取ったので、数え終わった後、顾寧はその口座番号と名前を短信で齊子越に送った。

齊子越は唐氏の幹部ではあったが、この公金を動かす勇気はなく、唐炳森に電話するしかなかった。

彼の私財でもかろうじてこの金額はあったが、災いを起こしたのは唐雅心なのに、なぜ彼が支払わなければならないのか?

それに、唐家はこの金額を出せないわけではない。

彼は唐雅心と一緒にいて、結婚する予定だったのは事実だ。一家になるが、忘れてはならない、彼と唐雅心が最初に一緒になった目的は何だったのか。

それは唐雅心の身分と、唐家の財産ではなかったか?