第787章 忍耐するつもりはない

牛さんが口にした金額を聞いて、李鳳霞はすぐに目を見開いて驚き、信じられないという表情で言った。「何?一人一万?それはまさに恐喝じゃないか!」

李鳳霞は彼らに金を払って杜來峰に問題を起こさせることには惜しまなかったが、こんな風に騙し取られるのは嫌だった!

「どうした?払わないのか?払わないなら、次に店を荒らされるのは、お前たちの店だぞ」牛さんは脅した。どうせ彼らは殴られただけでは済まされない。

「あなた······」李鳳霞はすぐに言葉に詰まり、同時に恐れも生じた。

李鳳霞もこういう人たちを恐れていた。結局彼女は何の後ろ盾もない女性で、息子にも何の能力もなく、ただこの店を守って生活しているだけだった。

もし本当に彼らに店を荒らされたら、五萬元の損失では済まないだろう。

彼女は警察に通報する勇気もなかった。通報しても、彼らは少し金を払って、数日拘留されるだけで、出てきたら必ず彼女に対してより激しい報復をするだろう。

彼らと何度か接触したことがあるので、彼らのことをある程度理解していた。

だから、李鳳霞はどれほど不本意でも、妥協せざるを得ず、牛さんに五萬元を振り込んだ。

お金が入金されると、牛さんはようやく満足し、最後にこう言った。「李鳳霞、向こうの新しい店主から伝言だ。もしまだ彼女の店に何か企みを持っているなら、刑務所に入れられても文句は言えないぞ」

そう言って、彼は去っていった。

李鳳霞はその言葉を聞いて、驚いて目を見開いた。彼らは自分のことを話してしまったのだ。

驚きと同時に怒りも感じたが、彼女が知らなかったのは、自分が密かにやったと思っていたことを、杜來峰はとっくに知っていたということだ。杜來峰が普通の人間で、証拠を手に入れる手段がなかったからこそ、彼女がこれほど長く囂張できたのだ。

すでに店主が変わり、もし彼女がまた何か企みを持ったら刑務所に入れるという警告を出されたのだから、彼女がまだ何か行動を起こす勇気があるだろうか!

不満はあっても、不満があったところで何になる?自分に能力がないのだから仕方ない!

しかし考えれば考えるほど腹が立ち、李鳳霞は机の上のコップを取って床に叩きつけた。ちょうどその時、息子の杜明達が帰ってきて、そのコップは杜明達の足元に落ち、あと少しで彼の足に当たるところだった。