083 スーパースター顧星澤

「一杯のお酒、いいですか?一杯だけしか飲めません……」雲詩詩は慎重に言った。

  嚴良雄は彼女のみずみずしい表情を見るのが好きで、大笑いして言った。「いいよ!一杯なら一杯、一気に飲み干すんだぞ、そうしないと意味がないからな!」

  雲詩詩は歯を食いしばり、心を決めて、目の前に注がれた洋酒を手に取り、一気に飲み干した。たった一杯で、顔を真っ赤にし、耳まで赤くなった。

  「うぅ……」この洋酒は辛すぎて、彼女の目は赤くなり、体はすぐに熱くなった。

  彼女の頬に浮かぶ赤みを見て、嚴良雄の目は釘付けになった!その熱い視線は彼女から離れることなく、彼女の全身を針で刺すように見つめた。

  そのとき、ドアの外から足音が聞こえた。

  「コンコン――」

  優雅なノックの音がして、個室のドアがゆっくりと開いた。

  湿った冷気が一緒にドアから入ってきた。

  雲詩詩は酔いが回り、すでに天地がぼんやりしていたが、身震いして、余光で誰かが入ってくるのを見た。声のする方を見ると、長身の影が個室に入ってきた。

  彼女はぎょっとして、目に入ってきたのは真っ黒な高級な手作りの革靴で、床を打つ音がはっきりと力強かった。

  男性の歩みは優雅で落ち着いており、まっすぐで長い西洋ズボンに、ダークレッドの高級シャツを身につけ、白い肌を引き立たせ、禁断の魅力的な美しさを際立たせ、温厚で上品な雰囲気がすぐに現れた。

  さらによく見ると、男性の少し開いた襟元には、翡翠のような鎖骨が見え、美しく繊細な首には、プラチナのネックレスが垂れていた。

  このシンプルな装いは、人々を驚かせた。誰もが赤をこんなに妖艶で美しく着こなせるわけではない。

  雲詩詩は少し酔っていて、首が少し硬くなったように感じ、すぐには顔を上げて男性の素顔を見ることができなかった。彼が近づいてきてから、やっと彼の顔を見た。

  一挙手一投足に高貴さと傲慢さが感じられ、目には一筋の憂いがあった。これが彼女がこの男性から受けた最初の印象だった。

  白い顔立ち、化粧を落とした姿、深みのある繊細な五官、はっきりとした輪郭は、まるで神の技のような精巧な彫刻のようだった。