この雲詩詩もなかなかやるじゃないか!
でもそれがどうした?大物に目をつけられた女なら、さらに味わい深いじゃないか?慕雅哲がどんな人物か、彼がなぜ価値もバックグラウンドもない新人に目をつけるはずがない?
芸能界は人材の宝庫で、美女に事欠かないのは昔からだ。慕雅哲のような地位なら、どんな女性でも呼べば来るし、追い払えば去るものだ!
慕雅哲が遊んだ女なら、彼のお下がりでも悪くない!
何凌相は邪悪な考えを巡らせながら、手に持った雲詩詩の資料の束をきつく握りしめていたが、突然横から聞こえてきた可愛らしい声に思考を中断された。
「あの...あの...すみません、何凌相監督でいらっしゃいますか?」
何凌相が振り返ると、素顔の雲娜が目に入った。
雲娜はさっき化粧を落としたばかりで、かえって清楚に見えた。