125 我が物にする

雲娜は、それを持ち去ってはいけないと分かっていました。このようなネックレスを、雲詩詩はいずれ気づくでしょう。

しかし、輝くサファイアを見つめながら、雲娜は深く息を吸い、長い間躊躇しました。彼女は歯ぎしりをして、箱をしっかりと握り、衣装ケースを適当に片付けて元の状態に戻し、部屋を飛び出しました!

自分の寝室に駆け込むまで、雲娜はまだ緊張と不安を感じ、少し後ろめたさを感じていました。心臓は激しく鼓動し、荒い息でネックレスを引き出しに しまい込み、ようやく呼吸が落ち着きました。

心の中で自分を慰めながら、どうせ安雲詩詩は着けていないし、もったいないから、自分にあげた方がいいと思いました。

将来、もし彼女がこのネックレスを見たとしても、世の中には同じようなネックレスがたくさんあるのだから、雲詩詩が彼女のネックレスを盗んだと言う理由なんてないはずです。

どうせ自分のネックレスなのだから、強く主張すればいいのです!同じものを買ったと言えばいいのです!とにかく...とにかく...

彼女はこのネックレスが大好きなのです!

今夜、彼女は盛装して宴會に出席し、きっと全場を驚かせるでしょう。そうすれば、雲詩詩の顔色を窺う必要もなくなります。彼女は絶対に成功しなければなりません!

しかし、やはり良心に背くことをしたので、雲娜はとても後ろめたく感じ、雲詩詩が帰ってきて気づくのではないかと恐れていました。彼女は急いで服とネックレスを持って、何凌相に電話をかけ、落ち着いて家を出ました。

雲詩詩は朝の運動から帰宅し、身支度を整えて宴會に向かおうとしましたが、部屋に戻ると、部屋が荒らされており、準備していたドレスとネックレスが全て消えていることに気づきました。

彼女の心に一瞬の動揺が走りました。

佑佑も驚いて、泥棒が入ったのではないかと疑いました。

しかし、床に落ちていた雲娜のイヤリングを見つけると、彼は状況を理解し、目つきが冷たくなりました。

部屋には鍵のかかる場所がなく、彼は雲娜が一度懲りて二度とママに逆らわないだろうと思っていましたが、まさかこんなに大胆不敵だとは。

突然、携帯電話の画面が明るくなりました。雲詩詩が見ると、知らない番号からの着信でした。少し迷った後、電話に出ました。