車が病院の入り口に停まると、雲詩詩は急いで降りて、入院棟へと小走りで向かった。
慕雅哲は車を停めると、彼女を追いかけて急ぎ足で進んだ。
入院棟に入るやいなや、彼女は急いで携帯電話を取り出して李翰林に電話をかけようとしたが、バッテリーが切れて電源が切れていることに気づいた!
雲詩詩は少し苛立たしげに唇を噛んだ。彼女はうっかりして、部屋番号が書かれたメモを持ち歩くのを忘れていた。今や広大な入院棟で、佑佑が何階の何号室にいるのかわからず、仕方なく勇気を出してナースステーションに向かった。
ちょうど半分ほど歩いたところで、後ろから声をかけられた。
「詩詩!来たの?!」
雲詩詩は驚いて振り返ると、後ろに立っていた李琴が驚いた表情で彼女を見ていた。彼女の表情は少し硬くなり、また少し驚いた様子だった。
彼女がなぜここにいるの?
雲詩詩は不思議そうに尋ねた。「どうしてここにいるの?」
「子供が病院にいるから、私もようやく駆けつけたところよ。あなたもこのことを聞いたの?」
なぜか、李琴の彼女に対する態度はとても丁寧で、以前のような冷ややかな態度はなく、顔には笑みを浮かべ、口調もとても優しかった。
以前の李琴はこんな風ではなかった。彼女を見るといつも意地悪な顔をして、きつい口調だった。今の180度の態度の変化に、彼女は少し戸惑いを感じた。
子供が怪我をした?
佑佑?
もしかして...李校長が父たちに連絡して、病院に支払いに来るように通知したのかしら?
そうに違いない!雲天佑が発作を起こし、校長が子供を病院に連れて行き、彼女に連絡が取れなかったので、まず雲業程に連絡したのだろう。彼女は念のため、学校の連絡簿に雲業程の緊急連絡先を記入していたことを思い出した。
そうだ、李校長は彼らの家族とは他人だ。子供に何かあって、すぐに駆けつけて病院に連れて行ってくれただけでも感謝しきれないのに、無償で入院費用を立て替えてくれとまで言えるはずがない。
きっと李校長が雲業程に連絡し、雲業程が佑佑の事故を知って急いで駆けつけ、子供の入院費用を支払ったのだろう。
しかし、李琴の態度が奇妙に感じられた。
以前は、雲天佑に対していつも嫌悪感を示していたのに、今は...