318 隣人

三人がちょうど入ろうとした時、遠くからバイクのエンジン音が聞こえてきた。

雲詩詩は少し驚いて振り返ると、かっこいいバイクが隣の別荘のガレージの前に停まり、すらりとした人影が目に入った。

背が高くすらりとした少年が英国風のコートを着て、下半身は漆黒のバイク用レザーパンツを履いており、長い脚がスタイリッシュに包まれていた。

少年がヘルメットを脱ぐと、さっぱりとした短髪が白金色に染められており、無表情でサングラスを外すと、端正な顔立ちが人々の視線に晒された。

「お隣さん?」

「背が高いわね……」

彼が歩き出し、彼らとそれほど離れていない別荘に入っていくのを見て、雲詩詩は気づいた。

お隣さんだったのね!

「見覚えがあるわ、どこかで見たことがある気がするわ」

「ママ、おバカさん、男性じゃないよ……」佑佑は横で呆れた様子で言った。「有名な歌手で、芸名は君墨っていうの。最近新しいアルバムを出して、人気も結構あるんだよ!中性的な格好をしているだけで、実は女性なんだ」