366 許してあげる

雲詩詩の顔は即座に薄紅く染まり、二人は極めて近くに寄り添い、男性の熱い息遣いが耳元に感じられ、彼女の体は一瞬で硬直してしまった。

「結び目を作ったからって、お前をどうにもできないと思ったのか？」男は彼女の耳元に近づき、挑発的な口調で言った！

彼女は怖くて目を固く閉じていたが、予想していた行動は起こらず、「パチッ」という音と共に、目の前が暗くなり、明かりが消えた。

背後から、慕雅哲の低い声が聞こえてきた。

「寝なさい」男は依然として笑みを含んだ冷ややかな声で言った。「今夜は見逃してやる」

たとえ一緒に寝ても何もしなくても、彼女の髪から漂う蘭のような清香を嗅ぐと、心の中の暗い影が一掃されたかのようだった。

美人が彼の腕の中に横たわっており、しかもこんなに魅惑的な女性で、豊満な体が彼の胸に密着し、その滑らかな肌が意図的にも無意識にも彼の体に擦れ合うと、心の中で衝動的に思った。なぜ彼女を憐れんで自分を抑制する必要があるのだろうか？

彼女の服を脱がせ、思うがままに自分の欲望を満たしてしまえばいいのに。

しかし、再び彼女の緊張した体を感じると、結局動きを止めてしまった。体内で意図的に長く抑え込んでいた邪念はすでに疼きだし、止まらなくなっていたが、彼はあえてその火を押さえつけ、考えないようにした。

これは、初めてのことだった！

一人の女性のために、体内の尽きることのない欲望を抑制するなんて。

ただ彼女を怖がらせたくないがために。

……まあいい！今日は一度だけ許してやろう。

しかし、それでもなお、何かをしなければ、その名状しがたい火を押さえることはできなかった！

そこで、慕雅哲は頭を下げ、彼女に強く口づけをした。舌先で貪るように彼女の唇を舐めたが、それ以上はせずに、彼女を強く抱きしめて、ようやく満足して止めた！

早朝、最初の陽光が重たいカーテンの隙間から差し込んだとき、彼女は目を覚ました。

正確に言えば、彼女は一晩中ぐっすりと眠れなかった。

背後の男は確かに眠っていたが、その腕は依然として彼女をしっかりと抱きしめ、強引に拘束していて、そんな所有欲の強い動作は彼女に逃げる余地を全く与えなかった。

二人の距離はとても近く、鼻先には彼の落ち着いた寝息が漂い、彼女は少し我を忘れてしまった！