「ママからもらったの。誕生日プレゼントよ」雲天佑は突然何かを思い出したように「腕時計の位置情報機能とブルートゥース機能はオンになってる?」
「オンよ」
「オフにして!」雲天佑は即座に命令した。
「どうしたの?」
「余計なことを聞かないで、とにかくオフにして!」雲天佑はそう言いながら、自分の腕時計のブルートゥースと位置情報機能を全てオフにした。
奕辰くんは彼がなぜそんなことを要求するのか分からなかったが、言われた通りにした。
雲天佑は突然、この出来事に不審な点があると感じた。
さらに不審なのは、本来5分で一周するはずの観覧車が、10分以上経っても止まる気配がないことだった。
今まで回り続けているのに、まだ止まる様子がない。
故障したのだろうか?
雲天佑の心に不安が芽生え始めた。この観覧車がこんなに長く回り続けているのは、単なる故障ではないような気がした。
彼は立ち上がり、入口まで歩いて行き、手すりを掴んで窓越しに人混みを見つめた。
その瞬間、機械が突然激しく揺れ、ゴンドラの中が天地逆さまに揺れ動いた後、突如として機械の動きが止まってしまった!
観覧車が突然停止し、全ての安全装置が解除され、ドアの鍵も自動的に開いた。
ゴンドラの揺れで、雲天佑はバランスを崩し、慌ててドアの手すりを掴んだ。
しかし、手すりを掴んだ瞬間、ドアがゆっくりと開いてしまった!
そして、その時、彼の体重が全てドアにかかっていた。
ドアの安全ロックが突然解除され、ドアが外側に開き、彼の体は外側に傾いていった!
雲天佑は大きな衝撃を受けた!
この時、彼らのゴンドラは、最高地点で停止していた!
そして彼の足下には、数十メートルの高さがあり、強風が吹き付けて彼の髪を乱れさせ、この時、重心を失った彼は落下し始めた!
雲天佑は顔面蒼白となり、事態があまりにも突然で反応する間もなく、体は既に半分落下していた!
「佑佑!」
危機一髪のところで、奕辰くんは即座に飛びかかり、彼の腕をしっかりと掴んだ!
高所で、雲天佑の体はゴンドラの外に宙吊りとなり、足は空中に浮き、片腕でかろうじてゴンドラの縁を掴み、もう片方の腕は奕辰くんにしっかりと掴まれていた!
素早い動きをしたものの、それでも落下していく佑佑に引きずられて半メートルほど移動してしまった。