「ママからもらったの。誕生日プレゼントよ」雲天佑は突然何かを思い出したように「腕時計の位置情報機能とブルートゥース機能はオンになってる?」
「オンよ」
「オフにして!」雲天佑は即座に命令した。
「どうしたの?」
「余計なことを聞かないで、とにかくオフにして!」雲天佑はそう言いながら、自分の腕時計のブルートゥースと位置情報機能を全てオフにした。
奕辰くんは彼がなぜそんなことを要求するのか分からなかったが、言われた通りにした。
雲天佑は突然、この出来事に不審な点があると感じた。
さらに不審なのは、本来5分で一周するはずの観覧車が、10分以上経っても止まる気配がないことだった。
今まで回り続けているのに、まだ止まる様子がない。
故障したのだろうか?
雲天佑の心に不安が芽生え始めた。この観覧車がこんなに長く回り続けているのは、単なる故障ではないような気がした。