462 二寶ちゃんの愛情争い(5)

目を開けると、そこは真っ白な世界で、眠りの中でも果てしない暗闇が続き、絶え間なく漂う消毒液の匂いは、彼が最も嫌う臭いだった。

彼が見る陽の光は、たいてい病院の窓辺に立って眺めるものだった。彼はまだぼんやりと覚えている。病院の窓の外には、広々とした芝生があった。

お見舞いに来た多くの子供たちが芝生の上で思い切り走り回り、遊び、手に風船を持って追いかけっこをしていた。

うっかりすると、風船は手から離れて、高く高く空へ舞い上がっていった。

彼は頭を支えながら、じっとその風船が飛んでいくのを見つめ、やがて見えなくなるまで見送っていた。

それは、あの頃の数少ない楽しみの一つだったのかもしれない!

雲詩詩は彼の顔色が少し青ざめているのを見て、悲しい思い出を思い出したのだと分かった。