493 撮りたければ撮れ、嫌なら出ていけ

ベッドに戻ると、雲天佑は布団の中に潜り込み、ベッドサイドテーブルから小さな精巧な写真立てを取り出した。それは先日遊園地で撮った、ママとの記念写真だった！

写真を胸に抱きしめながら、静かに眠りについた。

翌日の朝。

雲詩詩が目を覚まし、身支度を整えてリビングに来ると、ダイニングテーブルには雲天佑が既に朝食を用意していた。雲業程がすぐに声をかけた。「詩詩、おはよう！」

「お父さん、おはよう！佑佑、おはよう！」

「ママ、早く朝ごはんを食べて。」佑佑は彼女のために椅子を引き、紳士のような仕草で座るよう促した。

雲詩詩は彼の小さな紳士のような優雅な態度に笑みを浮かべながら、席に着いた。

雲天佑は彼女の隣に座り、にこにこしながら尋ねた。「ママ、昨夜はよく眠れた？」

雲詩詩は一瞬固まり、昨夜のキスを思い出して頬を赤らめながら答えた。「うん！いい夢を見たわ。」

佑佑は微笑んで言った。「よかったね！でも佑佑は、良くない夢を見たんだ。」

「えっ？」

「なんでもない！おバカなママ、早く朝ごはんを食べて。これは佑佑が作った愛心目玉焼きだよ！」そう言いながら、ハート型の目玉焼きが載った皿を彼女の前に置いた。これは佑佑が心を込めて作ったものだった。

「あなたはもう食べたの？」

「おバカなママ、もう何時だと思ってるの？幼稚園に行かなきゃいけないんだよ！」雲天佑は文句を言った。

またあの飛び跳ねてペチャクチャおしゃべりする小鬼たちと向き合わなければならないと思うと、ちびっ子ちゃんの顔は憂鬱そうになった。

困ったな、本当に困った。

このまま幼稚園に数年通っていたら、知能指数が直線的に下がってしまいそうだと感じた。

雲業程は雲詩詩に言った。「詩詩、朝食が済んだら早く会社に行きなさい！私が佑佑を幼稚園に送っていくから！」

「うん！気をつけてね。」

雲業程は佑佑と一緒に出かけた。

先日、雲詩詩は彼のために車を買った。会社が破産してから、雲業程は数年間車を運転していなかったが、数日かけて慣れてきた。

車がゆっくりと別荘の門を出る時、黒色の乗用車が後ろについてきた。

遊園地での出来事以来、李翰林は雲天佑のために専属のボディーガードを付け、24時間体制で警護させていた。

雲詩詩は朝食を済ませると、会社へ向かった。