第177章 結婚しましたか?

羅昊は斓兮のこの様子を見て、すぐに業界関係者に電話をかけて確認したところ、彼と斓兮が致命的な間違いを犯していたことに気づいた。

「俺たち、時間を勘違いしていたんだ」

「どういう意味？」斓兮は羅昊の言葉の意味がよく分からなかった。

「唐寧があんなに堂々と海芸ショーホールに現れたのは、時間的に衝突していなかったからなんだ。風采のインタビューは、数回前から時間変更されていて、1時間遅くなっていたんだ。俺たちはその細部を見逃していた」

おそらく以前から皆が風采の放送時間は夜8時だと覚えていたので、たとえ時間変更の予告があったとしても、斓兮はそれを気に留めず、風采の放送時間が変わっていないと思い込んでいた。

「この唐寧、本当に頭が良すぎる！」

「じゃあ、今どうするの？唐寧が番組に出るのをただ見ているしかないの？」斓兮は悔しそうにデスクを叩いた。彼女はこれほど努力し、心血を注ぎ、脅迫や誘拐まで辞さなかったのに、結局、唐寧にまんまと出し抜かれてしまったのか？

実は、唐寧が龍姉さんが脅されていることを知ったのは、テレビ局に向かう途中だった。李丹妮のショーが7時に始まり、彼女のインタビューが9時以降だと知ったとき、すぐに海芸ショーホールに行くことを選んだ。彼女が唯一不思議に思ったのは、斓兮がなぜ2時間もの時間差を置いて、両方の場所に行き来できるようにしたのかということだった。

これが斓兮のいわゆる妨害？そんなに手間をかけて、本当に風采の番組収録を妨害しようとしたの？

マジで？

安子皓もそれで笑った。「俺の斓兮に対する理解では、今回は完全に判断ミスだな」

「どんな判断ミス？」唐寧は安子皓に尋ねた。

「おそらく風采の時間変更を知らなかったんだろう」安子皓は思わず軽く笑った。

唐寧が海芸ショーホールを出た後、本来なら安子皓の手配でテレビ局に急ぐはずだったが、駐車場に入るとすぐに墨霆の車を見つけたので、安子皓に一言言って、そのまま助手席のドアを開けて座った。

「来なくていいって言ったのに」

墨霆は顔を向けて唐寧を見つめ、温かい手のひらで唐寧の手を持ち上げ、掌を確認した。「ボディーガードを連れていたんじゃなかったのか？なぜ自分で手を下した？手は痛くないか？」