第320章 心を殺す

丸二日間、林沖はネズミのように暗い隅に隠れ、怪我は治療できず、病気も医者にかかれなかった。

  方煜の件が爆発した後、記者業界全体、パパラッチの世界全体が影響を受けた。

  今や彼はJ-KING、海瑞、ファン、芸能人から逃げるだけでなく、最も重要なのは同業者からの攻撃を避けることだった。彼のせいで、同業者の日々はより一層厳しくなっていた。

  ある人が退屈しのぎに、林沖が隠れている写真をネットに投稿した。龍姉さんはそれを見て笑いながら唐寧に渡した。「このゴミの末路を見てごらん」

  唐寧は携帯を受け取ってちらりと見ただけで、龍姉さんに言った。「私と菁菁の名義で彼に少しお金を送る人を探して……」

  「唐寧……」龍姉さんは唐寧のやり方が理解できなかった。この人渣を殴り殺さないだけでも良しとするのに、なぜお金まで送るのか?

  「敵から施しを受けることで、彼がより苦しむと思わないか?肉体的な苦痛よりも、心を責めることこそが、憎しみを完全に消し去る方法だ」唐寧は頭を下げたまま、林沖に同情する様子は全くなかった。なぜなら彼は能力のある人間だからだ。

  龍姉さんはしばらく考えていたが、自分が侮辱され、強制的に跪かされたときの、死にたいほどの気持ちを思い出し、突然唐寧のやり方が理解できた。

  「あなたはすごいわ!」

  そして、ある晩、キャップを被った男が林沖のオフィスに入り、彼のそばに清潔な服、食べ物、薬、そして一枚の名刺を置いていった。

  林沖は半死半生の状態でこれらのものを見たが、他のものには気を留めず、ただその一着の服と名刺だけに目が行った。

  誰も落ちぶれたときに、あなたの尊厳を気遣ってくれる人はいない……

  これを見て、林沖の心の中の後悔と恥辱が、二本の麻縄のように強く絡み合い、彼を完全に居たたまれなくさせた……

  この夜、林沖はその服をずっと見つめていた。夜明け近くになってようやく、暗闇の中から携帯を探し出し、名刺の電話番号をダイヤルした。

  「もしもし……林沖です……」