第364章 偽千金

……

午後、唐家。

唐萱の偏執的な態度により、唐老は一つの事実を明確に認識した。それは、唐萱が唐寧の存在を全く容認できないということだった。

しかし、唐家を誰に継がせればいいのだろうか？

唐萱は気絶から目覚めると、ベッドの傍らに座っている唐老を見て、苦労して体を起こし、老人に言った。「おじいさま……また母の夢を見ました。」

「はぁ……」老人はため息をつき、この騒動で声までもが一層老けたように聞こえた。

「おじいさま、唐寧母娘のうち、私が容認できるのは一人だけです。二人同時に唐家に留まり、母の御霊を汚すのを見過ごすことはできません。」

「どうしたいのだ？」

「おじいさまが既に選択をされたのなら、唐家の名誉を取り戻すために一つの方法があります。それは、唐寧が唐家の子孫ではなく、彼女の母親が再婚して家に入ってきただけだと宣言することです。」

唐老は何も言わなかったが、明らかに傷ついた様子で、直接椅子から立ち上がり、唐萱の部屋を出て行った。

しかし唐萱は知っていた。これは唐老の暗黙の了承だと。

唐寧を追い出すなら、徹底的に追い出そう！

……

「見て、唐家が声明を出したわ。唐寧は唐家の嫡流の血筋ではなかったのね。彼女の母親も愛人ではなく、ただの再婚相手だったのよ。」

「そうか……偽りの令嬢だったんだ！枝に飛び乗って鳳凰になったと思ったのに、結局は……」

「上の人は余計なこと言わないで。私の唐小寧は唐家の背景なんて全然欲しくないわよ。」

「そうは言っても、唐家がこんな声明を出すのを見ると、まるで唐寧を盾にして放り出しているような気がしないか？実の子じゃないから、好き勝手に踏みつけていいって？」

「名家……あなたたち、名家が何か分かってるの？」

唐家は公開声明で、唐寧が唐家の嫡流の血筋ではなく、母親の再婚に伴って唐家に入ったに過ぎないと発表した。

だから愛人という噂は誤りで、唐寧の出自も世間で噂されていたほど不名誉なものではなかった！

しかし、どれほど多くの人が背後で唐寧を嘲笑しているだろうか？

また、かつて唐家の背景を恐れていた人々が、どれほど背後でせせら笑っていることだろうか？

所詮は偽りの令嬢が、セイキョウを天地返しにしたなんて、笑い話だ……