第466章 唐寧はやはり唐寧のまま

今回は、夏玉玲でさえ抑えきれないほどだった。唐萱がここまで悪辣になるとは、本当に想像もしていなかった。

　　唐寧は彼女の様々な嫌がらせを知っていても、彼女を死地に追いやろうとは一度も考えなかった。しかし、ある人々は、あなたが許しても、あなたの善意を覚えてくれるわけではない。

　　夏玉玲は突然席から立ち上がろうとしたが、老人が手を伸ばして彼女を押さえつけた。「この件は私に任せなさい。もう君と寧ちゃんに苦労をかけさせない」

　　夏玉玲は老人の断固とした表情を見て、しばらく黙ったあと、再び自分の席に座り直した。

　　彼女は、老人が本当に心を鬼にできるのか見てみたかった。

　　「彼女はもう唐家の人間ではない。しかし、彼女のお腹には唐家の子供がいる。生まれた後、私が君たち母娘に説明をつけよう」

　　実際、老人がこのように考えるのは無理もない。それはやはり唐家の血筋だ。仲家に渡せば、どうなるかわからない。そして最も恐ろしいのは、唐萱が再び子供を利用して唐家を脅すことだ。

　　「これからは、彼女に騙されることはない」

　　この言葉を聞いて、夏玉玲はようやく本当に落ち着いた。なぜなら、今回の老人の言葉は冗談ではないことがわかったからだ。

　　彼は唐萱にこれほど多くのチャンスを与えたが、毎回唐萱に利用されて傷つけられ、しかもその度にエスカレートしていった...今回は妹の子宮を摘出しようとまでした。ただ自分との寵愛争いを恐れただけで。

　　唐萱の心の中に、本当に人間性のかけらもないのだろうか？

　　夏玉玲は老人の目を見つめ、その老いた目の中に、この瞬間、唐萱への嫌悪感だけが満ちているのを見た。

　　...

　　ドアの外で、林先生はまだ事の顛末を詳しく説明していた。もちろん、自分は脅迫されて、やむを得ずそうしたという立場を深く表明した。しかし、このような綺麗事は他人には通用するかもしれないが、墨霆の前では、幸運を期待する余地は全くなかった。

　　「では、私の妻が不妊だという噂は誰が広めたのか？」

　　「唐萱が人を使って広めたのです。これは本当に私とは関係ありません...関係ありませんよ」林先生は慌てて手を振った。

　　喬院長は林先生が話したすべてに非常に驚いた。墨社長はもちろん、彼のような第三者でさえ、このような事を聞いて冷静でいられるはずがない。