第515章 どう考えても、お前の番ではない

「おじい様が在任中、唐しは着実に発展し、あなたはおじい様の庇護の下で、唐しの高位に就いていました。しかし、これほど長い間、唐しのために尽くしたと言いますが、実際に唐しに何か貢献したことがありますか?一つでも例を挙げられますか?」

「逆に、あなたが唐し社長に就任してからは、株価は下がり続け、スキャンダルが発生し、私の母、夏玉玲が再び唐しを正常な軌道に戻したのです。」

「労苦は功績とは違います。唐しの清掃員も毎日懸命に働いていますが、だからといって彼女たちに社長を任せるべきだというのでしょうか?」

「簡単に言えば、あなたには能力がない!」唐寧は唐萱の問題を的確に指摘した。「私は経営を学んだことがなく、モデル出身ですが、おじい様はこんな素人の私に大きな期待を寄せています。これは、あなたのこれまでの唐しでの行動が、家長の信頼に値しないということを示しているのです。」

素人……

来賓たちは再び冷や汗をかいた。

もし唐寧がこれで素人なら……世の中に本当の実力者は、ほとんどいないということになる。

「この点について、どう否定できますか?」

唐萱は心の中で納得がいかなかったが……唐寧の言葉に反論できる実例を見つけることができなかった。よく考えてみると、自分自身も、これまで唐しのために何をしてきたのか思い出せなかったのだ。

「あなたはおじい様の保護に頼って生きてきましたが、私は自分の能力で唐しの危機を乗り越えてきました。この地位は、どう考えてもあなたのものにはなりません。」

「あなた……でたらめを!」

「唐萱、あなた自身も自分を疑っているのですね。」唐寧は軽く笑って言った。「唐しはこれまで多くの荒波を乗り越えてきました。企業と消費者に対する責任ある態度を貫いてきたのです。不適切なものは早期に排除する、この点において、おじい様は常に初心を保ち続けてきました。」

「だからこそ……毎年、そして今日の新製品発表会があるのです。」

「唐萱、人は自分を知ることが大切です。私たちの個人的な問題は私的に解決しましょう。しかし今日は唐しの重要な日です。来賓の皆様は、私たちの新しい香水を見たいのであって、あなたの……」

会場から笑いが起こった。