第567章 証拠を出せば済むことでしょう？

しかも、今回の記者会見に新鮮味を加えるため、方煜は相当な努力を払った。記者たちに海瑞広報部の馴染みの顔ばかり見せるわけにはいかず、新しい人材を登場させる時期だと考えたのだ。

そのため、墨霆との電話を切った後、方煜は相手に連絡を取った。その人物は、ある人に連れられて長い間姿を消していたのだが。

翌日午前9時。

海瑞の記者会見が間もなく開催される。DenseStarホテルの宴会場5号室で、会場は500人を収容できる規模だった。

無名の芸能人なら、おそらく通りの一角や会社の入り口だけで記者対応は十分だっただろう。しかし、これは人気スター唐寧に関することだ。唐寧という二文字に少しでも関係があれば、無数の注目と議論を呼び起こす。彼女のキャラクター設定は、まるで話題性のオーラを纏っているかのようだった。

豪華な宴会場には、記者たちが続々と到着していた。海瑞の厳格な要求により、入場する記者は全員、所属する会社の身分証を着用し、本人確認も行われた。海瑞の要求は多かったものの、記者たちは積極的に協力していた。

なぜなら、彼らはすぐにエンターテインメント欄のトップニュースが手に入ることを知っていたからだ。

午前9時30分、参加者が続々と入場し、海瑞はこの記者会見をオンラインでリアルタイム配信することにした。情報を広く拡散させるためだ。

もちろん、同じ時刻に、当事者の楊熙も、傍観者の葉嵐も、唐墨の二人がどのように失脚するかを見届ける準備を整えていた。

特に飛天獎が唐寧を除名したことについて、まだ正式発表はされていないものの、業界内では既に噂が広まっていた。

唐寧は...まもなく業界の完全な笑い者になるだろう！

……

午前10時、海瑞の記者会見が正式に始まった。しかし、全ての記者を驚かせたのは、今回宴会場の扉から入ってきた人物が、海瑞広報部の馴染みの顔でも方煜でもなかったことだ。

唐寧の地位が方煜の出番を決定づけていたのだが、今回唐寧の広報を担当するのは、長らく姿を消していた韓馨兒だったのだ！

当時の彼女と北辰東の恋愛を思い出し、会場内ではシャッター音が絶え間なく響き渡った。記者たちは韓馨兒の重要な細部を一切見逃すまいと必死だった。