第726章 海瑞が動き出す

展開があまりにも速すぎて、外部の人々は情報を更新する余裕もなく、メディアは段景紅が宋昕を告発した罪状が、証拠不足により全て成立しなかったことしか知らなかった。

宋昕は段景紅より先に立ち去り、メディアの前で傲慢な態度を見せたが、段景紅はどうだったのか？

記者たちのカメラレンズの前で、段景紅は突然しゃがみ込み、苦しそうな表情で言った。「今の私には何も望みはありません。ただ悪人を制裁することだけを願っています。誰か証拠を提供してくれる方がいれば、私、段景紅は全財産を報酬として差し上げます。」

「段さん、どのような理由で宋昕さんを告発することを決意されたのですか？お話しいただけますか？」

「話すべきことは、警察の前で既に全て話しました。私は法の裁きを受ける覚悟があります。ただ、法が罪を犯した者、特に宋昕を見逃さないことを願うだけです！」そう言うと、段景紅は海瑞のボディーガードに守られながら警察署を後にした。

もちろん、このような複雑な芸能ゴシップは、暇を持て余すネットユーザーたちの間で熱い議論を巻き起こした。

「もしこれらが本当に宋昕の指示だったのに、証拠が掴めないとしたら、本当に許せない。」

「その通りだ。段景紅は法による制裁を求める姿勢を見せており、最悪の事態も覚悟しているようだ。彼女には犠牲精神があるということだ。宋昕を野放しにしないでほしい。」

「もしかしたら、段景紅が宋昕に復讐しようとしているのかもしれない。それも分からない。今は証拠がないんだから。」

……

どちらにせよ、今は双方を支持する人々がおり、それぞれが自分の意見を主張している。

段景紅は宋昕に罪があると断言しているが、警察は何の証拠も見つけられない。

このような状況で宋昕に代価を払わせるのは……非常に困難だ。

このような状況でも宋昕が傲慢な態度を取れるのも無理はない……

段景紅の自首の結果を知っていたため、唐寧はボディーガードに段景紅をカイユエ・ディージンまで送らせた。唐寧は二人のベイビーを寝かしつけた後、リビングに入り、段景紅と会った。

「結果は聞きました……」

「彼女を制裁するのがこんなに難しいとは思いませんでした」段景紅は涙ながらに言った。「もし法が証拠を見つけられないなら、私の犠牲は無駄になってしまいます。これからは誰も宋昕に立ち向かえなくなります。」