第772話 溜飲が下がった

「リアリティ番組に出演したけど、こんなに演技がかった芸能人は見たことがない」

「脱落は当然よ。これはチーム番組なのに、自己主張ばかりして足を引っ張るなんて、頭がおかしいわ」

「彼女は最初から『歩きたくない、私を背負って』という態度を見せていたけど、誰も相手にしなかったわね」

「白瑜の性格は確かに悪くないけど、目立ちたがり屋で、もし私の周りにこんな友達がいたら、本当に怖いわ」

「はっきり言えば、ただの偽善者よ」

「演技が露骨すぎて、チームメイトに投票で外されたのも当然ね」

「後半を見たけど、白瑜がいなくなってから、すべてが正常になったわ……」

白瑜は皆の前で自分の高いEQを見せたかったのだが、彼女は自己陶酔が過ぎた。リアリティ番組で、誰が彼女の作り笑顔に騙されるだろうか？だから、視聴者に叩かれても、それは百パーセント自業自得だ。

白瑜はスタッフの前で爆発しそうになった。最初から皆が彼女を狙い撃ちにしていたことについて、誰も言及しないのか？飛行機を降りてからようやく、トイレに入って思う存分泣き崩れた。

すぐに助手が彼女を迎えに来て、二人が車に乗り込むと、白瑜は車内のものを全て投げ飛ばし、携帯電話で助手の顔まで傷つけた。

しかし、彼女は気付いていなかったが、車の隣にはパパラッチが密着しており、彼女が車内で起こした暴力シーンは、完璧にカメラに収められていた。

この高いEQと温厚な性格という人物像は、崩壊するべきではないのか？

白瑜はこれらすべてを知らずに、急いで家に帰った。しかし、ドアを開けるや否や、寝室から物音が聞こえてきた。白瑜は耳を傾け、寝室のドアを開けると、白琳琳と自分の夫が、ベッドの上で情熱的にキスを交わしているところを目撃した……

その瞬間、白瑜は部屋の中で起きていることすべてを呆然と見つめ、特に裸の二人を。しばらくの間、どう反応すべきかさえ忘れてしまった。

「お前、どうして帰ってきた……」

「お姉さん……」

白瑜はその時になってようやく、晴天の霹靂を感じた。顔が一瞬で真っ赤になり、汚らわしさと屈辱を感じた。彼女は、最も親しい二人が彼女の背後で不倫をしているとは思いもよらなかった。

「白琳琳、すごいじゃない。義理の兄を誘惑するなんて！」