第080章 二つ返事で黒カードを渡す

小包子ちゃんの着替えを手伝った後、寧夕も部屋に入って着替えた。

　　偶然にも、彼女も坊ちゃんのものとよく似た服を持っていて、すぐにそれを取り出して着た。そしてデニムのオーバーオールも合わせた。

　　寧夕が着替えを済ませて出てくると、小包子ちゃんは彼女を見て目を輝かせた。

　　彼は寧夕を見たり、自分を見たりして、小さな顔に喜びと満足感が溢れていた。さらに彼女の帽子についているウサギの耳に手を伸ばして触り、明らかに小夕おばさんと同じ服を着ていることを喜んでいた。

　　二人の準備が整った頃、玄関で車のエンジン音が聞こえた。

　　陸霆驍が帰ってきたのだ。

　　外の気温は30度を超えていたが、陸霆驍はまるで氷河や雪原から来たかのように、長い脚で歩み、冷ややかな表情で居間に入ってきた。

　　彼の目がソファーに座っている似たような服を着た、まるで親子のような大小二人に落ちると、その冷たい瞳から始まり、氷河が溶けるかのように彼の全身が和らいでいった……

　　坊ちゃんのこの姿は当然とても可愛らしく、寧夕については、可愛らしいウサギの耳と若返りアイテムのオーバーオールのおかげで、さらに年齢が若く見え、坊ちゃんと並んで座っていると姉弟のように見えた。

　　陸霆驍が戻ってきたのを見て、寧夕はすぐに坊ちゃんの手を引いて立ち上がり、「私たち二人は準備できたわ。出発できる？」と言った。

　　陸霆驍はうなずき、少女の姿に数秒間目を留めてから視線を外し、「行こう」と言った。

　　車に乗ると、寧夕は興奮して尋ねた。「ねえねえ、陸霆驍さん、坊ちゃんの服、可愛いでしょ？探すのに随分時間がかかったんだよ。」

　　「可愛いね」陸霆驍は答えたが、バックミラーに映る少女を見ながら言った。

　　寧夕は得意げに言った。「だからね！これからは坊ちゃんにもっと可愛い服を買ってあげるべきだわ！」

　　「うん」陸霆驍は短く返事をし、懐から黒いカードを取り出して彼女に渡した。

　　「これは...何？」寧夕は目を瞬かせ、ネットでしか見たことのない伝説の無制限ブラックカードを不思議そうに見つめた。

　　陸霆驍：「買い物用だ」

　　寧夕：「えっと...」

　　彼女はそういう意味じゃなかったのに。