第148章 抱っこして

少しして、陸霆驍は執事に観光車のようなオープンカーを用意させ、寧夕を素早くゴルフコースの裏にある独立した小さな建物の前まで連れて行った。

この建物の形状と造りは非常に奇異で、素材はガラスか何か名前の分からない金属のように見え、一目で非常にハイテクで未来的な雰囲気を醸し出していた。

陸邸はあまりにも広大で、寧夕はここに住んで何日も経つのにまだ全てを見て回れていなかった。この場所は彼女にとって初めて来る場所だった。

「この建物の底部には機械装置があって、太陽の動きに合わせて回転できるんだ。建物の外層の素材は太陽光パネルで、内部のすべてのエネルギーは太陽光から得ているんだ。執事や使用人たちは全てロボットだよ」陸霆驍がガイド役を買って出て説明した。

「すごくクールですね！」寧夕は目を輝かせ、子供のように興奮していた。

「気に入ったなら、よく遊びに来てもいいよ。後で入退出の権限を設定しておくよ。以前は君がこういうものに興味がないと思っていたから、連れてこなかったんだ」と陸霆驍は言った。

「いえいえ！私、こういうの大好きなんです！子供の頃はいつか宇宙船に連れ去られる妄想をしていたし、大人になってからはロボットと恋愛する妄想をしていました。ああ！考えるだけでロマンチック！」

陸霆驍：「......」入退出権限は与えない方がいいかもしれない。

二人が入り口に着くと、一台のロボットが地面に倒れており、突然目から赤い光を放ち、寧夕と陸霆驍をスキャンしているようだった。

陸霆驍をスキャンした後、ロボットは苦しそうに電流音を発しながら、「マスター......マスター......」と言った。

「主人」と断続的に呼びかけ、告げ口したいけど言葉が出てこない様子で悲惨そうに見えるこのロボットは、おそらくこの機械室の管理人だろう。

陸霆驍はため息をつき、このロボットの背中にある扉を開け、何かを操作すると、そのロボットの目が暗くなり反応しなくなった。

寧夕は心配そうに近寄って触ってみた。「動かなくなっちゃった？死んじゃったの？あ、違うか......故障しちゃったの？」

「大丈夫だよ、後で修理すればいい」

寧夕はほっとした様子で、「ああ、よかった。もったいないもん。このロボット、結構かっこいいし！」