「寧夕?どこ?どこにいるの?」
「寧夕が来たの?まさか!本当に現れるなんて!」
「あそこだ!あそこ!」
……
一瞬にして全ての記者が振り向き、競って撮影機材を構えて写真を撮ろうとした。
寧夕は眉をひそめ、まず小包子ちゃんを守ろうとした。彼を驚かせないように。自分のことは気にしなかった。
しかし、小包子ちゃんを抱き寄せる前に、突然大きな手が彼女の頭を温かな胸元に押し付け、同時に小包子ちゃんの柔らかな小さな手が彼女の手をしっかりと握りしめた。まるで怖がらないでと慰めているかのように。
記者たちは、10歩ほど手前で足を止めた。
どこからともなく現れた二人の黒服で眼鏡をかけた大柄な男性が、凶悪な表情で門神のように彼らの行く手を阻んでいた。
「おい、お前ら何者だ、どけ!邪魔するな!」スクープに目がくらんだ記者が、考えもせずに口走った。