第250章 初めての対決

翌日の朝、盛世エンターテインメントの林芝芝のオフィスにて。

「芝芝ねえさん、遅刻してないですよね?」寧夕は昨日アパートで一日中休んでいたので、体調はほぼ回復していたが、まだ少し顔色が悪かった。そのため今日は大胆でファッショナブルな配色のフレアワンピースを着て肌色を明るく見せ、若々しく活気のある印象を与えていた。

オフィスデスクの前で、林芝芝はいつものように髪をきっちりとまとめ上げ、寒色系のスーツにタイトスカートという姿で書類の処理をしていた。寧夕が来たのを見て、まずは彼女を一瞥してから顔を上げて言った。「緊張する必要はありませんよ。今日あなたを呼んだのは特に重要な用事があるわけではありません。明日の撮影開始前に会社を案内するだけです。普段あなたが会社にいる時間は多くないでしょうが、会社の基本的な部署構成は理解しておく必要があります。」

「はい、ありがとうございます、芝芝ねえさん!」

「行きましょう。」

寧夕はうなずいて後に続き、林芝芝の案内で会社の各部署を見て回り、新しい同僚たちと顔を合わせた。

みんな心の中でどう思っていようと、表面上は彼女に対して丁寧に接していた。

たとえ皆が暗黙の了解として、会社が以前起こしたこの一件が盛世とスターライトという二つの会社間の駆け引きであり、寧夕はただ会社がスターライトを打撃するための手段に過ぎないことを知っていたとしても、会社が寧夕を力を入れて押し出そうとしているのは紛れもない事実だった。誰も寧夕が勢いに乗っているこのタイミングで厄介ごとを起こそうとはしないだろう。

「ちっ、この寧夕は写真よりも実物の方が綺麗だな。二少さまが一目で気に入ったのも無理はない!」

「予感がするよ。彼女の情商があまりにも低くなければ、将来きっと大ブレイクするはずだ!」

「そうとは限らないよ!やっと冷曼雲がいなくなったのに、誰か彼女が大ブレイクするのを許すと思う?それに彼女と林芝芝が上手くやっていけるかな?林芝芝は派手で色気を売りにする女性タレントが一番嫌いなんじゃなかったっけ?」

......

会社はかなり広く、寧夕は林芝芝について1時間以上歩いてようやく全てを見て回ることができた。

これから会社の後ろにある撮影現場やレコーディングスタジオも見に行こうとしていたところ、二人は廊下で思わぬ人物とぶつかった。