第257章 変態なスキル

「カチッ」

  一発オッケー!!!

  会場中から拍手喝采が起こり、記者たちは特に熱心に拍手をしていた。

  この場面はアクションシーンと感情シーンの両方があり、非常に複雑だったので、誰も一発で成功するとは思っていなかった。だから驚きと喜びでいっぱいだった。

  「すごい!江牧野がかっこよすぎて死にそう!弱々しい医者を演じて台無しになるかと思ったのに!本当に驚きの連続だわ!」

  「そうそう!江牧野のこれまでのイメージを覆したわ!今回の演技の進歩は本当に大きいわ!もう主人公が誰かなんてどうでもいい、私は孫先生のシーンだけ見たいわ!」

  「特に最後の『俺はお前の男だ』っていうセリフ、心に響いたよね?深い愛情が感じられたわ!」

  「私もそう思う私もそう思う。今まで江牧野が女優相手にこういう感動的なセリフを言うとき、何か足りないと思ってたけど、今やっとわかったわ。感情よ!江牧野は今回、感情を込めて演技してるのよ!」

  ……

  傍らにいた郭啟勝は涙が出そうなほど興奮して、副監督と抱き合っていた。

  感動的すぎる!

  こんなにスムーズにいくなんて想像もしていなかった!記者たちの反応も素晴らしい!

  まさに幸先の良いスタートだ!

  休憩エリアで。

  江牧野は得意げに鼻を鳴らし、「どうだ?問題ないって言っただろ?みんな余計な心配ばかりして!」

  寧夕は軽蔑したような顔で「ふん」と言った。「それは私があなたの相手役だったからよ。他の人だったら、今日のあなたのクソみたいな状態じゃ、少なくとも20回はNGを出すわよ。信じる?」

  「自分に金メダルをつけすぎだぞ!他の人だったら...せいぜい19回くらいだな!」江牧野は生意気な口調で言った。

  もちろん相手が寧夕だとわかっていたからこそ、こんなに安心してふざけられたんだ!バカじゃないんだから!

  寧夕のやつ、最大の特技は相手の演技を押さえつけてNGを出させることだけじゃなく、一瞬で相手を芝居に引き込んで、一発OKにさせることもできるんだ。

  「ちっ、寧小夕、お前のそのスキルはマジで変態レベルだな...」

  「あんたこそ変態よ!」

  ……

  二人がお互いを罵り合っているとき、雷明と林芝芝が入ってきた。