第330章 若旦那が帰ってきた

その瞬間、監視モニターの前の陸崇山と顏如意は完全に呆然としていた。今の気持ちをどう表現すればいいのか分からなかった……

坊ちゃんが承諾した……

坊ちゃんが学校に行くことを承諾したなんて……

これは坊ちゃんが普通の子供に戻るための最も重要な一歩を踏み出したということだ!

顏如意は感動のあまり言葉が出なかった。「崇山、見ましたか?坊ちゃんが学校に行くことを承諾したんです!本当に良かった!本当に良かったわ!」

「ええ!うちの宝物が学校に行くことを承諾したんだ!」陸崇山は長いため息をついた。「家族全員でこんなに長い間説得して、優しく言ったり強く言ったり、あらゆる方法を試してきたのに、まさか他人の数言で説得されるとは……」

顏如意もため息をついて言った。「前は景禮が大げさだと思っていたけど、今になってみれば、坊ちゃんは本当に彼女の言うことをよく聞くのね!」

陸崇山は喜びの後に更に心配になった。「どうやら、この女性は並の人物ではないな。しかも非常に冷静だ!以前は私が彼女を過小評価していた……気付いたか?彼女が今やっていることは、表面上では全て坊ちゃんのためになることばかりだ!」

顏如意は同意して、「前は理解できなかったけど、今やっと分かったわ。なぜ景禮と坊ちゃんが彼女をこんなに好きなのか、うちの霆驍さんまでも彼女に夢中になっているのか……」

陸崇山は首を振った。「霆驍さんはやはりまだ若すぎるな!」

その時、通信機から緊張した声が突然聞こえてきた——「ご主人様!若旦那がお戻りになりました!」

陸崇山は眉をひそめた。「戻ってきただけだろう、何を慌てているんだ!」

陸崇山が監視モニターを切り替えて、陸霆驍がどこにいるか確認しようとした瞬間、目の前の画面が真っ暗になり、全ての映像が消えてしまった。

「このバカ息子が!!!」陸崇山は怒り心頭だった。

「やっぱり彼には隠し通せないって言ったでしょう……」

……

裏庭の小さな花園で、坊ちゃんが学校に行くことを承諾した後、寧夕は嬉しさのあまり爆発しそうだった!

残念ながら、この喜びの気持ちを今この瞬間、共有できる人がいなかった……

しかし、その時、視界の端に見覚えのある影が一歩一歩彼女に向かって歩いてくるのが見えた……