第429話 金がないのに見栄を張る

梁碧琴は興奮して一つ一つ触って遊びながら、思わず褒め称えた。「お姉さん、この玉飾りは本当に綺麗ですね！あなたが玉を好きなのも分かります！あなたの超凡脫俗な雰囲気には玉しか似合わないわ！」

「そうよ、他の金銀のアクセサリーなんて俗っぽすぎるわ！」

周りの女優たちが口々に同意し、すぐに蘇以沫の前にある上質な玉飾りに目を輝かせて見入った。その中の一人が口を尖らせて言った。「店長、私たちが普段来ても、こんな良い商品は見せてくれませんでしたよ！」

「店長は偏り過ぎです！」

「でも仕方ないわね、良い玉は美人に似合う、以沫さんだけがこの玉に相応しいのよ。私たちは分不相応なことは分かってるわ！」

……

耳元でのお世辞を聞きながら、蘇以沫は口角を上げ、高慢な表情で、あのブレスレットが気に入ったようで、手に取って細かく観察していた。

傍らの梁碧琴は何を思ったのか、突然寧夕の方向をちらりと見て、それから声を引き延ばして店長に言った。「店長！あなたのやり方はちょっと適切じゃないんじゃない？」

店長はそれを聞いて慌てた。「えっ、どこが適切じゃないんですか？私のサービスに何か不備がありましたか？梁さん、ご指摘ください！すぐに改善します！即座に改善します！」

梁碧琴は直接厚かましく寧夕を見つめ、意味ありげに言った。「店長のサービスが不十分というわけじゃないわ。むしろ行き届きすぎよ。みんなこっちにいるでしょう？誰も店番してないじゃない。もし貧乏人が隙を見て、適当に玉を持ち去ったら、店長の損失は大きいわよ！」

店長はこの言葉を聞いて、すぐに反射的に視線を寧夕に向けた。

結局、今店内には蘇以沫たち以外には、翡翠の仏像ブレスレットを選んでいる寧夕しかいなかった。

最初はこの女性が大きな注文をくれると思っていたのに、こんなにケチで貧乏だとは……

店長はそれを聞いて直ちに厳しい表情で何度もうなずいた。「梁さんのおっしゃる通りです。勉強になりました！」

そう言うと直ちに店員に指示した。「小玉ちゃん、あっちを見張ってきなさい！」

「え？私が行くんですか！」小玉は自分の鼻を指さした。

「そうだ、お前だ。何をぼんやりしている、早く行け！もし何か無くなったら、お前の責任だぞ！」

「はい、店長……」小玉という店員は不承不承に寧夕のいるカウンターの前に移動した。