第382章 内通者ではなく、スパイだ!

アンニは軽く咳をして、少し気まずそうな様子で「大将が……先日……先日の夜中に、デッキで……」

「デッキで何してたの?あんた、一気に言えないの?私をやきもきさせたいの?」寧夕は息が上がり、もう崩壊寸前だった。

「デッキで一晩中ラブレターを書いていたんです!!!」アンニはようやく一気に言い切った。電話の向こうで彼女の顔が真っ赤になっているのは想像に難くなかった……

寧夕は頭に黒い線が走り、「そんな大したことじゃないのに、何をそんなにモゴモゴしてたの?」

アンニは口ごもりながら、「夕兄さん、大将のラブレター、あなた宛てですよね?」

「うーん……」今度は寧夕が言葉を濁した。

アンニは言葉を選びながら、苦労して続けた。「大将の文章力が、本当に……あまり良くなくて……一晩中デッキは彼が投げた紙くずだらけで、何人かの仲間が見かねて、代わりに書くと申し出たんですが、みんな大将に殴られてしまって……大将は自分で書くと言い張って……」