第402章 私は一人の少女なのに

一瞬にして、十数年来のすべての悔しさが溢れ出し、胸が万感の思いで一杯になった……

彼女はずっと自分の努力は全て無駄だと思い込んでいた。どれだけ頑張っても誰も気付いてくれないと。でも思いがけないことに、彼女のことを気にかけてくれた人がいたのだ。

白露は少し興奮した様子で、震える声で言った。「ありがとう……寧夕、本当にありがとう!でも、受賞なんて……想像もできないわ!会社に残って、食いつなげるだけでいいの……餓死しない程度で……」

白露は苦笑いしながら続けた。「実は転職も考えたことがあるの。でも結局、十年という歳月は長すぎて、演技は既に私の体から切り離せない一部になってしまった。演技以外、もう何もできないの……」

白露の気持ちを寧夕はよく理解できた。すぐに口を開いた。「白露ねえさん!予感があるの!きっと売れるわ!私の予感、当たるのよ!」

白露は思わず笑みがこぼれた。慰めの言葉だと分かっていても、心が温かくなった。「そう言ってくれてありがとう!」

「あっ!もうこんな時間!遅刻しちゃう!また今度話しましょう!白露ねえさん、さようなら!」寧夕は時計を見て、既に30分以上遅刻していることに気付き、急いで白露に別れを告げて上階へ走っていった。

「さようなら……」

……

寧夕は息を切らして林芝芝のオフィスに到着した。

江牧野は待ちくたびれて顔が険しくなっていた。彼女を見るなり、手持ちのゲーム機を投げ出した。「寧夕!お前、わざとだろ!毎回こんなに待たせやがって!俺の一分がいくらするか分かってんのか?最近どんなに忙しくて時間が貴重か分かってんのか?」

寧夕はそれを聞いて、逆に彼より正論を言う表情を浮かべた。「金毛くん、紳士の品格ってものがないの?私は女の子なのよ。ちょっと待つくらいどうしたの?」

江牧野は血を吐きそうになった。「はぁ?女の子?今更お前が女の子だってことを思い出したのか!」

彼を殴る時は、自分が女の子だということを忘れていたくせに。

「私がいつ女の子でいたいかは、私が決めるの!」寧夕は鼻を鳴らし、まっすぐ林芝芝の前まで跳ねていった。「芝芝ねえさん、ごめんなさい!ちょっと用事があって遅れちゃいました!お待たせしてすみません!」

江牧野:「……」まあいい、この扱いの違いにはもう慣れた!