第485章 春色満園を閉じ込められない

「こ……これは霓裳スタジオが設立当初に発表した最初の春服で、テーマは春色滿園を閉じ込められない!」

物乞いが話したその服は花をテーマにしており、服に手作りされた花々は生き生きとしていて、まるで次の瞬間に服から咲き誇るかのように、生命力に溢れていた。まさに「春色滿園を閉じ込められない」にふさわしかった。

「当然よ、私は霓裳の熱心なファンなんだから!」寧夕は得意げに言いながら、心の中では物乞いの言葉を七、八割信じていた。

彼がそれらの写真を見る目つきだけでも、まるで母親が子供を見るような眼差しだった。

心血を注いだデザイナーでなければ、そのような眼差しを持つことはできないはずだ。

案の定、その物乞いは家宝を数えるかのように、各衣装の発表時期やテーマ、さらにはデザインの背後にある初心や小話まで語り始めた……

話しているうちに、最後には寧夕のスマートフォンを抱きしめて地面に伏せ、涙を流しながら「私の霓裳……私の霓裳……」と呟いた。

寧夕は物乞いの傍らにしゃがみ込み、彼の肩を叩きながら「兄さん、一体どうしたんですか?あなたのデザインなのに、なぜ最後にデザイナーが戴威に変わってしまったんですか?」

おそらくあまりにも長く抑圧されていたためか、その人はついに断続的に話し始めた。「戴威は……私のパートナーで、大学時代からの同級生だった。私たちの関係はずっと親密で、私は彼を最高の親友、最も信頼できるビジネスパートナーだと思っていた!

大学時代から一緒に起業して、自分たちのスタジオを設立した。私はデザインが得意で、彼は運営が得意だったから、私たちは分業して、私はデザインに専念し、彼は製品の運営全般を担当していた……

私は彼を信頼していたから、スタジオの状況を全く確認しなかった。まさか最後に、彼が私のパソコンにあった全てのデザイン案を盗み、スタジオの全ての資金を持ち逃げし、私を追い出して投資家を探し、新しいブランドを立ち上げるなんて……」

ここまで聞いて、寧夕はようやく理解した。「そのブランドが、Historyということですね?」

「そうです……」

「彼を訴えようとは思わなかったんですか?」