第468章 人を訪ねる

これから香水の広告撮影があるため、寧夕はロサンゼルスにしばらく滞在する必要があった。

ちょうどこの機会に、彼女にはとても重要な用事があった……

ある人物を訪ねなければならなかったのだ。

真夜中。

寧夕はロサンゼルスに隣接するサンバーナーディーノ市へと向かった。

このような場所では誰も彼女のことを知らないため、変装する必要もなく、寧夕は化粧もせず、ただシンプルで快適な白いTシャツとジーンズに着替えただけだった。

サンバーナーディーノ市は全米で最も危険な都市ランキングで5年連続首位に輝いており、低所得者層が多く集まり、密輸の主要ルート上に位置し、全国で最も暴動の多い場所だった。

運転手は倍額の料金でようやくそこまで行くことを承諾したが、二つの市の境界線までしか進まず、寧夕が車を降りるとすぐに走り去ってしまった。

ここは見捨てられた廃墟のようで、ほとんどが低く湿った古びた建物と廃棄物置き場で、薄暗い路地には至る所で闇取引が行われていた……

しかし、この地域の娯楽産業は非常に発達しており、深夜になっても依然として賑やかで、至る所で酒を飲んだり賭け事をしたりする声が聞こえた。

通りを歩く人々は、男性のほとんどが筋骨隆々として恐ろしい刺青を入れており、凶悪な様相を呈し、女性は露出度の高い派手な服装で、顔には濃いゴシック調のスモーキーメイクを施していた。

そのため、高校生のような服装をした寧夕が深夜のサンバーナーディーノを歩くのは、まるで狼の群れの中を歩く子ウサギのようだった。

通りの両側では、冷たい光を放つ幾つもの目が、彼らの縄張りに突然現れたこの見知らぬ人物を観察していた。

寧夕は口にキャンディーをくわえ、イヤホンを耳に付けたまま、まるで普通の通りを歩くかのように気楽に路地を抜けていった。

彼女のこの何気ない、まるで家に帰るだけのような態度のせいか、それらの目は観察するだけで、誰も積極的に絡んでくることはなかった。

結局のところ、このような深夜にサンバーナーディーノに現れる勇気のある人間は、大人はおろか数歳の子供であっても、決して普通の人間ではないはずで、背後にかなりの力を持っているに違いない。少しでも分別のある者なら、むやみに死に近づくようなことはしないのだ。