坊ちゃんの寝室で。
寧夕は小包子ちゃんを抱きしめながら、頭の中で制御不能な「包子くん誘拐計画」を練り始めていた。
一時的に時間を稼いだとはいえ、いずれは小包子ちゃんと別れなければならない。くそっ、小包子ちゃんを連れて放浪の旅に出てしまおうか!
そんなことを考えていると、耳元で低い声が聞こえた——
「何を考えているんだ?」
「包子くんを誘拐することです!」寧夕は思わず口走ってしまった。
「ふふ……」男が軽く笑った。
寧夕はようやく話しかけてきた人が大魔王だと気づき、ぎょっとして顔を上げた。「……!!!」
しまった!皇太子を誘拐するなんて、とんでもない考えを口に出してしまった!
「一緒にどうだ?」陸霆驍が突然、一見関係のない質問をした。
寧夕は一瞬呆然とし、その意味を理解すると、すぐに頬が熱くなった。