第555章 たった2時間会ってないだけなのに

寧耀華は当然、自分の娘が本社に入ることを望んでいたが、彼が望んでいたのは寧夕ではなく寧雪落だった。

彼にとって、寧夕が会社に入ることは完全な災難だった。家で面目を失うのはまだしも、今度は会社全体で恥をかくことになる。そうなれば、どうやって人と顔を合わせればいいのか。それに前回、蘇家に必ず雪落が家業を継ぐと断言したばかりだった！

父子三人が口論している間に、莊玲玉は寧夕の前に歩み寄り、彼女を強く引っ張って、歯を食いしばって言った。「何をぼんやりしているの？早く出て行きなさい！家の中は本当に平和だったのに、あなたが来たとたんこんな騒ぎになって。おじいちゃんの誕生日なのに、あなたのせいで台無しにするつもり？」

寧夕は表情を変えなかったが、寧天心はもう我慢できなかった。口下手ながらも、思わず口を開いた。「伯母さん、それは偏った見方です。小夕ちゃんはただおじいちゃんに会いに来ただけで、皆さんに迷惑をかけないように、私におじいちゃんを裏庭に連れて行ってもらって会っただけです。最初から最後まで一言も言わず、何もしていません！どうしてそれが彼女の過ちになるのですか？」

「何もしていないって？彼女がここにいるだけで十分よ！それに、うちの家のことは部外者が口を出す必要はないわ！」

……

その時、陸氏グループの社長室では。

すでに二時間が経過していたが、寧夕はまだ戻っていなかった。

坊ちゃんはいつものように窓辺に寄りかかって首を長くして待っており、陸霆驍までもが頻繁に携帯電話を確認していた。

父子二人の様子を見て、陸景禮は呆れた表情で言った。「おいおいおい、二人とも、もう少し落ち着けないの？たった二時間会っていないだけじゃないか？」

さらに五分が経過したが、まだ戻ってこなかった。

陸霆驍は携帯電話を手に取り、直接寧夕に電話をかけたが、応答はなかった。

寧家別荘。

寧夕のバッグの中で突然携帯電話が鳴り、着信を確認すると陸霆驍からだった。時間を見ると、すでに二時間以上が経っていた。

おそらく、いつ戻るのかを尋ねているのだろう。