第599章 うわっ！押し倒した！

禪房の外で、陸景禮は窓際から中を覗き込んだ瞬間、衝撃的な光景を目にした。

お姉さんが席世卿を押し倒したのだ……押し倒したのだ……押し倒したのだ……

その瞬間、陸景禮は魂が抜け出そうなほど驚いた！

くそっ！！！！！！！！！！！

兄に何か状況があったら即座に報告すると言ったのに、こんな……こんな状況をどう兄に伝えればいいんだ！

これは命取りになりかねない展開だ！

どうしようどうしよう、今すぐ中に入って止めるべきか？

おお、清廉潔白な席世卿と、奔放不羈な寧夕、高僧と妖精の古典的な組み合わせ！なんだか妙に相性がいいような気がしてきたぞ？

やばいやばい！兄にこんな考えがバレたら、間違いなく死体も残らないほど殺されるぞ！

寧夕は席世卿を押し倒しただけでなく、温かく繊細な指で彼の眉間からゆっくりと唇まで辿り、そしてじわじわと焦らすように近づいていき……

席世卿は今、まるで穏やかな水面に突如として嵐が襲いかかったかのように、全身が極限まで引き絞られた弓のように緊張し、長い指をきつく握りしめ、呼吸も完全に乱れ、寧夕の唇が近づいてくるのを見て、驚いたように目を固く閉じ、少し顔を背け、耳まで血が滴るほど真っ赤になっていた……

しかし、彼の心が激しく揺れている時、耳元で冷たい声が響いた。「俗世の縁は断ち切れていない！六根清浄ではない！席世卿、あなたは何の家を出て、何の出家をし、どんな僧侶になったというのですか？仏門の聖地を汚すことを恐れないのですか？」

その言葉が落ちた瞬間、席世卿の体内を流れる熱い血が一気に冷え、顔色は紙のように青ざめた。

窓の外で、陸景禮は目を輝かせながら、すげえ！お姉さんかっこよすぎる！まさか、こんな展開になるとは！よかった、軽はずみに中に飛び込まなくて。お姉さんの計画を台無しにするところだった……

席世卿は口を開きかけたが、結局何も言葉を発することができなかった。

玄淨大師と仏法を論じる時でさえ、負けたことはなかったのに……しかし、今この瞬間、彼は言葉を失っていた。

なぜなら、自分の心を、感情を、欲望を制御できなかったから……

席世卿が黙っているのを見て、寧夕は目を細めた。「どうです？まだ認めないのですか？続けましょうか？」