第675章 誘惑されやすすぎるんじゃない

陸霆驍は少し首を下げて肩の赤い跡を見た。それは寧夕が無意識に引っ掻いた傷だった。

「いつ結婚式を挙げるんだ?」唐浪が冗談めかして言った。

陸霆驍の冷たい瞳が少し和らぎ、「彼女次第だ」と答えた。

陸霆驍が寧夕の話をする時の柔らかな表情と寛容な様子を見て、唐浪は笑みを浮かべながらも、目の奥に心配の色が浮かんだ。

彼女次第?

小師妹次第なら、この祝杯は一生飲めないんじゃないか?

彼の知る限り、小師妹は断固たる非婚主義者だ!

誰が彼女を結婚という墓場に連れ込めるのか信じられない。たとえその人が陸霆驍でも同じだ。

寧夕と陸霆驍の関係が今どうなっているのか、愛人関係なのか、恋人なのか、それとも単なる関係なのか、彼にはわからなかった。

どちらにしても、この二人の関係をあまり良く思えなかった。性格も職業も生活背景も価値観も、あまりにも違いすぎるからだ。