第29章 私だ

李先生は元々秦璐を守ろうと思っていた。結局のところ、クラスの上位5位に入る優秀な生徒だったし、大学入試の時に彼女が良い成績を取って業績を上げてくれることを期待していたからだ。

　　しかし高彥辰たちを見て、李先生は急に怖気づいて、一言も言えなくなった。

　　刘さんは眉をひそめて言った。「高彥辰、お前たち授業に出ないで、ここに何をしに来たんだ？」

　　高彥辰は腕を組んで、いらだたしげな目つきで秦爽を見つめ、そして口を開いた。「烈焔會のメンバーを誰かが冤罪に陥れたって聞いたんで、誰がそんな大胆なことをしたのか見に来たんだ」

　　そう言うと、彼は秦璐の方を見た。彼が見た瞬間、秦璐は震えた。

　　彼女は困惑して眉をひそめた。

　　烈焔會のボスが薛夕に変わったんじゃなかったの？高彥辰は恨みを持っているはずなのに、なぜまだ秦爽のために立ち上がるの？