薛夕の携帯電話の電子チケットはすでにスキャンされていた。
警備員は葉儷に向かって言った。「お入りいただけます。」
「…………」
葉儷は驚愕して目を見開いた。
彼女は信じられないような様子で薛夕の携帯電話を見て、尋ね返した。「このチケット、本物なの?」
警備員は頷いた。「はい、お入りください。次の方の邪魔にならないようにお願いします。」
葉儷は呆然としながら、薛夕について柵の中に入った。そこで何かを理解したようで、急に振り返って外にいる劉依秋を見て、笑いながら言った。「あら、夕夕はここに6枚のチケットがあるのよ。本当は一緒に入れたんだけど、あなたも1枚持ってるみたいね。私たちは必要ないみたいだから、先に入らせてもらうわね〜」
葉儷は温和な様子で、このトゲのある言葉を言い終えると、薛夕の手を取って中に入っていった。李夫人と挨拶を交わし、お互いに紹介し合った後、一緒に中に入っていった。