第141章 打脸進行中(5)

千万円の値段提示は、オークション会場に再び高潮をもたらした。

  壇上の傅淳も、ようやくその声を通して話し手の方を見た。そして見た瞬間……傅淳は呆然とした。

  向帥?

  彼がなぜここにいるんだ?!さっきの薛おくさまの言葉と照らし合わせると……つまり、向帥は薛夕ちゃんの婚約者なのか?

  下の観客たちは全員驚愕し、季司霖も眉をひそめた。いつもは穏やかな人の目が冷たく光っていた。彼は手を伸ばして眼鏡を直し、再び札を上げた。「千二百万円」

  「千五百万円」向淮がゆっくりと口を開いた。

  向淮の隣に座っている薛晟はすでに驚いていた。彼は思わず横を向いて言った。「小向くん、やめてくれ。このまま言い続けたら本当に買うことになるぞ!」

  向淮は低い声で笑った。「伯父さん、ご心配なく」