秦爽は階上に行って状況を確認したいと焦っていたが、薛夕のこの言葉を聞いて、素直に彼女の後ろについていった。
二人で教学棟を一周し、薛夕はその場に立ち止まり、手を伸ばして空中で何かを描いているようだった。
秦爽は不思議そうに尋ねた。「夕さん、何をしているの?」
薛夕:「この建物の構造図を描いているの。」
秦爽は前方の何もない空気を見て:…………
薛夕は半空を集中して見つめていた。彼女には一度見ただけで忘れない能力があり、さっき一周して監視カメラの位置をすべて確認していた。
教学棟内の監視カメラはあまり役に立たない。撮影できるのは廊下だけで、秦璐と刘さんが事務室で何をしたかは見えないはずだ。だから薛夕が注目したのは外の監視カメラだった。
それらの監視カメラが捉えられる角度を推論と計算を経て、薛夕の視線は教学棟の裏にある柱の上の監視カメラに固定された。