薛夕は浴衣をきつく締め直し、秦爽を指差して言った。「彼女こそ習う必要があるわ」
「ああ」向淮がゆっくりと口を開いた。「彼女のコーチが来たぞ」
その言葉とともに、更衣室から足音が聞こえてきた。岑白が水着姿で、全身びしょ濡れのまま男子更衣室から出てきた。
彼はちょうどシャワーを浴びたばかりのようで、動くたびに水滴が体の上ではねていた。セクシーな鎖骨、引き締まった胸筋と腹筋、そして力強い筋肉質の脚。岑白の完璧な肉体が皆の目の前にさらされた。
秦爽は目を見開いたまま、瞬きすらもったいないといった様子で、一瞬でも見逃せば損をするかのように見つめていた。
薛夕も彼の体型を賞賛しながら、胸筋から腹筋へと視線を移していた。さらに下へと目を向けようとしたその時、肩を掴まれて向淮に強引に体を回転させられた。