若旦那は薛夕を見たが、彼女はすでにキーボードを交換し、新しいキーボードの操作に慣れようとしていた。彼女がピンク色のキーボードと付属のマウスを動かすのを見て、若旦那はさらにイライラした。
ここに来たのは試合をするためなのに、なぜこんな少女趣味なものを使うのか?
彼がそう考えていたとき、突然ドアが開き、XHのコーチが飛び込んできた。彼は眉をひそめて言った。「CMが練習試合を申し込んできた」
CM、それは永遠の2番手チームだ。陶偉は今日新しいアーチャーが入団することを知っていながら、あえてこのタイミングで練習試合を申し込んできた。明らかに彼らの心理を乱すつもりだ。
封延はすぐに言った。「断ればいい」
コーチは首を振った。「彼はウェイボーに投稿した。もし断れば、私たちが怖がっているように見える。でも今行くなら…」
コーチは薛夕を見たが、彼女に期待はしていなかった。
実力はさておき、それぞれに独自のプレイスタイルがあり、融合して正式な試合ができるようになるには、磨き合いが必要だ。
新人が来たばかりでは、チームと一体化することはできない。
封延は眉をひそめ、スマートフォンを開いた。案の定、陶偉がウェイボーに投稿していた:
【陶偉V】:「練習試合どう? @XH俱楽部」
その下には嘲笑のコメントが並んでいた:
——彼らに勇気があるのか?ハハハ。
——私がXHなら受けるね。新しいアーチャーが来たばかりだし、チームはまだ融合が必要。試合こそ最高の融合方法だよ。特にCMのような強豪チームとの対戦なら。
——そう、断る理由はない。早く受けろ。
——もしXHが断ったら、本当にファンやめるわ。そんな人たち見下してる。
……
ファンをやめるという名目で脅すなんて、面白い。
封延は目を伏せ、ゆっくりと口を開いた。「じゃあ、やろう」
彼がそう言い終わり、顔を上げて何か言おうとしたとき、若旦那が言った。「でも王兄さんの肩は今日休ませないといけない。もう打てないよ」
ミッドレーンの王さんの怪我は、アーチャー以外で最も重症だった。この数試合では怪我を抱えて出場し、試合が終わるたびに腕が上がらないほど痛んでいた。
コーチも歯ぎしりするほど悔しかった。XHはずっと頂点の位置にいて、いつ練習試合を恐れたことがあっただろうか?CMは本当に人をバカにしすぎている!