第285章 絶縁！

他の人たちも皆、表情がさまざまだった。

　　薛晟と葉儷は目を合わせ、心の底で何となく緊張していた。

　　向淮は昨日身分を明かしてすぐに立ち去り、どんな態度なのかよくわからなかった。彼らは向淮が本当に別れるのを心配しているわけではなく、ただ薛夕が傷つくのを恐れていただけだった。

　　一方、薛おくさまと薛おじいさまたちは、一人一人が慎重に口を閉ざし、向淮の怒りを買わないように気をつけていた。

　　劉依秋も、期待はずれといった目つきで薛夕を見ていた。

　　二人が恋愛中の間に、薛家に少し光を当てようと思っていたのに、薛夕がこんなに直接的だなんて？これで向さんの怒りを買ったら...結果は想像したくもない！

　　みんなが考えているとき、薛夕はさらっと「ああ」と言った。彼女の態度は冷淡で、いつもと変わらなかった。彼女と向淮の付き合い方を知っている葉儷と薛晟は何も感じなかったが、他の人たちは驚いた。

　　こんなに冷たい...向さんを怒らせないだろうか？

　　しかし次に、向淮の少し笑みを含んだ声が聞こえてきた。「こんな時間に電話をするなんて、もしかして俺と朝ごはんを食べに来ないつもりか？」

　　一同：？？

　　なぜかこの言葉から、甘えているような響きが聞こえた？

　　薛夕はスピーカーフォンにしていた。李夫人に向淮の声を聞かせるためで、不適切な言葉を言わないように、薛夕はすぐに口を開いた。「ちょっと用事があって。」

　　向淮は真面目な口調になった。「どんな用事？」

　　薛夕の言葉はとてもシンプルだった。「あなたのお茶、李家に売ってもいい？」

　　一同：？？？

　　こんなに直接的？！

　　少なくとも前置きをして、李家が困っていることや、李夫人が頼みに来たこと、自分もどうしようもなくて仕方なく聞いているんだと説明するべきじゃないか？

　　やっぱり子供だな！

　　みんながそう思っていると、李夫人はさらに焦った。向淮が怒って、薛夕が彼のビジネスに口を出すことを嫌がるのではないかと心配になり、急いで一歩前に出て、電話に向かって何か言おうとしたその時、相手が口を開いた。「いいよ、すぐに錢鑫を派遣して交渉させる。」

　　李夫人：？？

　　彼女は目を大きく見開き、信じられない様子で薛夕の携帯電話を見た。何の理由も言わないのに、こんなに...決まってしまった？