岑白はまだキャップとマスクをつけていて、顔ははっきり見えなかったが、クラスメイトたちは一瞬にして静かになった。
全員が驚いて入り口を見つめていた。
この人の声、まるで岑白のようだ。
でも、岑白のはずがない。
岑白は京都で撮影中のはずだ!
きっと錯覚だ!
秦爽は突然立ち上がり、真っ赤な顔で飛び出していった。薛夕はその場に立ったまま、二人が外に出ていくのを見ていた。先ほどの女の子の言葉を思い出し、岑白の恋愛スキャンダルが撮られて、彼も認めたが、相手の年齢が若く、まだ学生だったため公表されないとのこと……
年齢が若く、まだ学生……
これはおしゃべりさんのことじゃないか?
薛夕は突然目を見開いた。わずか半月で、おしゃべりさんは岑白に落とされてしまったのか?
廊下で。
秦爽は緊張して辺りを見回し、岑白をじっと見つめて緊張気味に尋ねた。「お兄さん、どうしてここに?」