第296章 こんにちは、お義母さん!

向淮のお母さん、それは彼女の姑ではないか?

  この考えが浮かんだ途端、薛夕は無意識のうちに携帯電話に向かって叫んだ。「こんにちは、お姑さま。」

  言い終わった後、初めて頭がショートした薛夕は、頭の中にゆっくりといくつもの疑問符を浮かべた:???

  彼女は今何を言ったのだろう?

  彼女は霞んだ大きな目を見開き、しばらく言葉が出なくなった。振り返ると、向淮が笑いを堪えているのが見えた。

  彼の繊細な五官は特に硬く引き締まっており、輪郭がはっきりしていた。このように笑うと、表情が和らぎ、雰囲気がそれほど冷たくなくなった。

  電話の向こうから、女性の声が聞こえてきた。「こんにちは、お嫁さん!」

  薛夕:「…………」

  相手は続けて話し始めた。「これが私の電話番号よ。もし淮くんがあなたに悪いことをしたら、私に電話してね。私が飛んでいって彼を殴ってやるわ!」

  動揺した薛夕は落ち着こうと努力して答えた。「……はい。」

  「そうそう、もうすぐ新年ね。何か必要なものはある?それとも、私と彼のお父さんがあなたの家に挨拶に行った方がいいかしら?」

  薛夕:???

  「あなたは浜町にいるのよね?ねえ、いい子、今年おいくつ?」

  薛夕:「……18歳です。」

  「何ですって?!」相手は驚いた。「向淮に電話を代わってちょうだい。」

  薛夕は茫然とし、再び携帯電話を向淮に渡したが、彼に近づいて、電話から向お母さんの声が聞こえてきた。「この畜生め、まだ18歳の子に手を出すなんて!」

  向淮:「……」

  薛夕:「…………」

  「もういいわ、もういいわ。あなたがやったことは全部やったのね。私とあなたのお父さんがあなたの尻拭いをしないといけないわ。その小さな女の子の住所を教えて。私とあなたのお父さんが挨拶に行って、あなたたちの婚約をまとめるわ!法定結婚年齢になったら、結婼させてあげるわ!」

  向淮:「……それはまだ必要ありません。」

  向お母さん:「???どういう意味?その小さな女の子に責任を取るつもりがないの?」

  向淮は口角を引きつらせた。「彼女がまだ私に責任を取らせる気がないんです。」