葉萊は目が覚めたようでもあり、さらに混乱しているようでもあった。彼は口の中でつぶやいた。「創始者?」
宋文曼と葉儷は急いで前に出て、彼を支えようとした。
しかし、葉萊はかなり重く、二人とも力が入らなかった。代わりに、音を聞いてやってきた薛晟が葉萊を抱きかかえてベッドに寝かせた。
しかし、ベッドに寝かされるや否や、葉萊は飛び起きて本棚に向かった。そこで何かを探し、最後に新聞紙に包まれた物を取り出して宋文曼に渡した。「お金を儷儷に渡せ。彼女に苦労をさせてはいけない!」
葉儷と宋文曼は顔を見合わせ、あきらめたようにため息をついた。また混乱し始めたようだ。
葉儷は新聞紙の束を開くと、中に本当に人民元の束が入っていた。葉萊は彼女の手をしっかりと握った。「私の娘の儷儷に渡せ。彼女に。あなたにじゃない。」