「あああああああ!」
バルコニーからまた悲鳴が聞こえ、謝瑩瑩はさっと立ち上がってバルコニーに走った。「どうしたの?どうしたの?」
もしかして李紫夏が夕さんのスキンケア製品を使って、本当に何かあったのか?
薛夕も本を置いて、そちらに向かった。
李紫夏が鏡の前に立ち、目を見開いているのが見えた。彼女は急に振り返って謝瑩瑩と薛夕を見て、自分の目を指さしながら言った。「早く見て、私のクマ!」
謝瑩瑩はよく見てから、不思議そうに言った。「なくなってるじゃない?」
李紫夏はうなずいた。「そうなの、なくなったから驚いてるの!私のクマがどれだけ頑固か知らないでしょ。毎回出来たら、半月もよく寝て、いろんなスキンケア製品を使わないと治らないのに。でも昨日、夕さんがくれたクマ取りのものを一度使っただけで、今日もうなくなってる!!夕さん、この無認可製品すごすぎ!どこで買ったの?何てブランド?私も欲しい!」
薛夕:「…………」
彼女は少し間を置いて言った。「私も知らないわ。今度あなたのために1本もらってくるわ。」
李紫夏は再び頷き、鏡の中の自分を上下左右くまなく確認した。目の下のクマが本当に消えていて、しかも肌にハリが出ているのを見て、とても満足そうだった!
薛夕と謝瑩瑩は確かに彼女と朝食を食べるのを待っていたので、李紫夏はすぐに身支度を整えた。
3人で食堂に向かう途中、李紫夏が口を開いた。「劉昭は先生のところに行ったと思う?」
薛夕はうなずいた。「行くでしょうね。」
李紫夏:「なんで?」
薛夕は説明せず、顔がゆっくりと赤くなっていった。
彼女は最近、向淮に人を殴っても痕が残らない方法を教えてもらっていて、だから毎日軍事訓練が終わった後、向淮のホテルに行っていた。
あの男は、人に教える時にちゃんと教えず、いつも手を出したり足を出したりして、さらには……咳、考えちゃだめ考えちゃだめ。
李紫夏:「夕さん、顔なんでそんなに赤いの?熱でもあるの?」
薛夕はすぐに表情を引き締めた。「そんなわけないでしょ。見間違いよ。」
李紫夏:?
薛夕は先に歩き出したが、心の中では少し恥ずかしさと怒りが入り混じっていた。何を考えているんだろう?