薛夕:【八時だよ。】
もう七時過ぎだから、間に合わないだろう。
錢箏は元気なく返信した:【なんで早く言ってくれなかったの?ああ、顧雲卿に会ったの?】
薛夕:【うん。】
錢箏は急に元気になったかのように:【夕さん、この人すごく偽物だよ。好きにならないでね。私の方をもっと好きになってよ。】
薛夕:「…………」
なんだか、寵愛を争っているみたいね?
彼女は口角を引き締めながら返信した:【好きじゃないよ】
錢箏:【よかったよかった、私はまだあなたの可愛い子ちゃんでしょう?】
可愛い子ちゃん?
薛夕は唇を噛んで笑いを押し殺しながら返信した:【そうよ】
メッセージを送っている時、隣の謝瑩瑩と李紫夏が冗談を言った:「きっと向教官とメッセージしてるんでしょ。ほら、笑ってるし。早く、何を送ってるか見せて!」
李紫夏が覗き込んだ時、薛夕はちょうど錢箏の名前を「可愛い子ちゃん」に変更したところだった。
二人は「可愛い子ちゃん」という文字を見て、目を合わせて笑い、腕をさすりながら:「夕さん、すごくキザだね。向教官がそんな趣味があるなんて思わなかった!ハハハハ……」
薛夕はゆっくりと顔を上げ、困惑した表情で二人を見つめ、頭上には疑問符が浮かんでいた:???
謝瑩瑩は急いで李紫夏に目配せした:もう言わないで、これ以上言うと夕さんが恥ずかしくて怒り出すわよ。
李紫夏は頷いて、おとなしく口の上でチャックを閉める仕草をして、もう話さないことを示した。
謝瑩瑩は話題を変えた:「錢箏以外に、顧雲卿を抑えられる人はいないの?」
李紫夏はすぐに笑って言った:「そんなことないわよ。私が言ってるのはビジネス界のことだけど、ビジネスがどんなに強くても……わかるでしょ?京都の名門や貴族はみんな侮れないのよ。」
謝瑩瑩は半分理解したような様子だったが、李紫夏はこれ以上詳しく説明できなかった。
謝瑩瑩は話題を変えた:「錢家は財神グループ?この名前、すごく俗っぽくて直接的すぎない?」